第一管区海上保安本部・十勝太ロラン航路標識一般公開


 
ロランC局を観てきた。
 

誰でも知っているとおり、いまでは測位方法にGPSを使うのが一般的だが、
ロランはGPSの無い時代に船の位置を双曲線航法で把握するために
作られたシステムの一つである。

ロランには中波を使うAと長波を使うCが方式として存在する。
他にはデッカオメガがある。

そのうちなくなる運命にあるロラン局を見学してきた。
 

このノッポなアンテナこそロランCの送信アンテナ。
アースはラジアルに200m以上張っているとのこと。
アースが良くないとメンテナンス中に金属がふれあうだけでスパークするそうな。
 

事務所側に非常発電の設備がある。
 

ヤンマー製。非常に綺麗だ。
十勝毎日新聞2008年10月23日の記事で避難場所としての提供もするらしい。
今は北海道電力から高圧6,600Vを受電しているので常に動いては居ないが米国コーストガードが運用していたときには発電機が常に稼働していた時代があったらしい。
 

屋外の燃料タンク
 

至る所に米国のテイストを感じる。
 

機器類。電圧メーターがkVのものがあり、高圧であることを確かめられる。
 

事務所から見る送信機局舎、普段は遠隔操作だそう。
 

空中線
 

送信アンテナ根本の部分
 

オースチントランスが見える。
航空障害標識への電源供給と電源ラインへの高周波の伝達を防ぐためにある。
 

送信機局舎内、ここで6.6kVは降圧され、利用される。
 

灯台電球の変遷。
 

ロランCの発射には2台のセシウム発振器を使用しており、このhpのメーターはその二台の誤差を計測している
 

ON AIR中の機器、テープが張ってあるがメチャメチャ至近距離だ。
制御は千葉の局とリンクしており、56kのアナログモデム(米国製、よく壊れるらしい)を二機使用している。SD(送信データ)、RD(受信データ)が忙しく点滅していた。
 

夜には千葉からこのカメラを使って遠隔監視するそう。
通信経路はなんとこれも56kのモデム(これはオムロン製、壊れないらしい)。
 

セシウム発振器。超高価とのこと。しかし至近距離だ。
 

LORDAC これで監視しているとのこと。PCはDELLの骨董品Pentiumモデル。
 

LORDACの説明。
 

スプリアス(不要輻射)の確認のためスペクトラムアナライザでも確認
 

送信波形の山一つをこのユニットで作る。
これが大量にラックに収まっている
 

山の説明
 

このように
 

真空管。昔の送信主役。
 

真空管時代末期は水冷の水が漏れることが頻発したらしい。
 

巨大なフロン22冷房設備。
これで大体20度ぐらいになるよう管理されている。
 

冷房装置、屋外。
 

片隅にウエスティングハウス製の大きな機器が。
モーターコントロールとはなんのモーターかは知らないが。
 

現在の系統を表示
 

無銭家には馴染みのある北海道総合通信監理局いわゆる総通の無線局免許。
出力は1.5MW…メガワット!!
免許人:海上保安庁
無線局の種別:無線航行陸上局 無線局の目的:海上保安用
通信事項:海上無線航行業務に関する事項
通信の相手方:船舶局及び船舶の受信設備
電波の形式、周波数及び空中線電力:20K0P0N 100Khz 1.5MW
 

いわゆるファイナルの真上。
ここから屋外にあるヒューズを通り空中線と地に埋まるラジアルアースへと接続される
 

流石にファイナル近辺は10KVが掛かっているとのことで入れない。
入れても誘導電流が怖いので遠慮するが。
 

この後ろ姿の職員さんが丁寧に説明してくれた。
 

見上げる。晴れていて良かった。
 

奥に「廃」な建物が・・旧送信局舎か?
 

送信局舎から非常発電設備のある事務所を見る。
万国旗が下がっているのは自衛隊も祭りの際は同じくだが、規定なのだろうか?
 
年に一回の一般公開と言うことで
マニアックな人たちが見に来ているかもしれないと思ったが、
普通の方々が多かった。

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